12月 環境塾 (日本環境管理センター)
昨日までの日中は、とても12月とは思えないような暖かさがありましたが、今日は朝から
晴天なのに 思わず上着の襟を立てたくなるような冷たい風が吹いていました。
★1時間目
「自然環境の保全」 伊藤 健吾 講師 岐阜大学応用生物学部教授
●今日のテーマ
①日本の自然のとくちょうを知る
日本の自然は人間と深いつながりがある
2次的自然(田んぼや雑木林)
日本は田んぼやぞうき林があり人間ががお世話している
昔から米を作ったり木の実を取ったり、まき(薪)を取ったりしてお世話してきた
しかし、今はほったらかし
世界の自然は、しつげん(湿原)げんせいりん(原生林)があり人間が入らない
自然は手を加えなければ移り変わっていく➡せんい(遷移)
ほっといたら遷移が進んで違う環境になってしまう
元いた場所に住んでいた生き物たちはどうすればいい?
②自然を守る環境保全って必要なの?
昔は不便だった
しかし、今は人間が住みやすくするため
家を建てる 道路を作る 海を埋め立てる だから自然や生き物が
失われていく
人間が住みやすくなると自然とか生き物には良くない
70年前 ➡➡➡ 1人の食べる1ヶ月の米の量 ➡➡➡ 10kg
40年前からみんなが米を少ししか食べなくなった。。
田んぼがいらなくなった。田んぼのお世話をしない
薪も使わなくなった。雑木林のお世話をしない
生き物や自然の風景がなくなるとさみしい
守らなければならない ➡➡➡ 大変なこと?
保全しなければならない ➡➡➡ むつかしいこと?
いろいろ工夫しながらやらなくてはいけない
(こうすれば大丈夫という答えはない)
でもとっても楽しい事なのです
③生き物のすごさ、楽しさを知る
エビとカニのちがいを教えてもらいました
講師は塾生たちに観察しやすいようにカニを眠らせました
八角(八角状の星型をした香辛料、スパイス)を水に振りかけると
カニは元気に動いていたが眠りました
ふだんみなれないカニを見せてもらい真剣なまなざし
古い順
クルマエビ ➡ テナガエビ ➡ モズクガニ
アメリカザリガニ ➡ サワガニ
古いタイプは、卵が小さく数が多い 海をただよう(プランクトン生活)
新しいタイプは、 卵が大きく少ない ちびエビ ちびガニまで育てる
●まとめ
生き物たちは進化をくり返してきた
その結果、いろいろな形や能力を手に入れた
生きていく環境にピッタリ合うように
なので環境が変わると生きていけない
すごいけど弱いのかもしれない
だから、みんなで守っていかないとだめなんです
★ 塾生の感想
● 進化をくりかえし生き続ける生命の力とその命を守る環境を
私たち人間が守らなければならないことがわかった
● 環境を守っていく事の重要性がわかった
● いろいろな探求心や興味が環境保全にもつながることを学んだ
● 環境を守ることは人間のためでもあることがわかった
★ ワークショップ
「廃油せっけんつくり」
お家で天ぷらを揚げた後の汚れた油から作るせっけんです
洗い流しても川・海を汚さないので地球にやさしい
廃油せっけんの作り方
用意するもの ******* 廃油 330㍉㍑
苛性ソーダ(水酸化ナトリウム) 45㌘
水 100㍉㍑
ペットボトル 1本(1リットルくらいがちょうど良いが、大きくても良い)
マスク・手袋
氷
計り(スケール)
苛性ソーダを45㌘計り、ペットボトルに入れます。
(この時、絶対苛性ソーダには、素手で触れないで下さい。手袋等をつけて下さいね。)
その中に、水100㍉㍑を入れます。
苛性ソーダが水に溶け、一気に温度が上昇します。
【注意】 (この時、絶対に蓋はしないで下さい)
マスク等を着用し、絶対に気体を吸い込まないよう気をつけて下さい。
換気扇の下や、家の外など、換気の良いところで行って下さい。
氷のたくさん入ったボウルや鍋などにペットボトルをつけ、溶かしながら冷やす。
冷えたら、中に廃油330㍉㍑を入れます。
ペットボトルの蓋をし、約5~10分、頑張って振って振って、振りまくって混ぜる。
中の液体がどろどろっとしてきたら、出来上がりです。
液体が固くなるまで置いておきます。(ふたをしないで一ヶ月以上保管)
固くなったら、ペットボトルごと、適当な大きさに包丁で切ります。
廃油石鹸が白っぽく完全に乾くまで、外や風通しの良い所で乾燥させます。
乾燥したら、出来上がりです♪♪ 食器、からだ、靴、衣類などに使えます。("^ω^)・
とっても楽しそう ♪ (#^.^#)
いろいろな廃油せっけんが出来ました
★ 2時間目
「森・川・海のつながり 魚附林(うおつきりん)」
大西 健夫 講師 岐阜大学応用生物科学部
● 本日のキーワード 魚附林(うおつきりん)
初めて聞く言葉ですが1000年以上前からある言葉であると知った
魚が寄ってくる林
自然の中にはすごい仕組みがある。そのしくみが生物にめぐみを与えている
地球をサッカーボールくらいの大きさとすると
地球上の水の量はビー玉くらいで
その水の中でも人間が飲むことのできる淡水の量は米粒くらいしか無い
川は上流から下流に流れていくうちに、だんだん太くなり海にそそぐ
地球上の水は、使ったらなくなるが、蒸発して雲になり、雨になり、山や平野に
降り川になり海になりグルグル循環する
国により川の色が違う(川に溶け込んでいる成分が違うから)
川はいろいろな物を運んでくる
その中でも鉄が多い 鉄は酸素と結びつくと赤色になる
鉄は人間や生物に必要であり大切なものである
森林、湿地、水田、畑では鉄濃度が違う 湿地には鉄分が多い
湿地は有機物の分解が遅いので鉄と土が結びつきやすい
鉄はいろいろな形で水に溶けて水資源を支える植物プランクトンを育てる
植物プランクトンが多くいるところに魚などの生物が集まる
* 植物プランクトンが光合成するために鉄が必要 *
(畠山重篤さんの言葉)
川は陸の栄養分を海に運んでくれる
栄養分のある川の水が流れ込んでこそ魚や貝のエサとなるプランクトンが
たくさん育つ
海の生物生産に森と川が重要であることに気がついた
★ 塾生の感想
●人間や生物にとって鉄が、とても大切なことがわかった
●オホーツク海が豊かな理由は、アムール川(鉄濃度・湿地が多い)
●森は海の恋人(うおつき湿地)